国民生活センターから、令和3年6月24日付で、高齢者を狙った自宅売却という不動産トラブルに関する注意喚起が出されています。
これは、一人暮らしの高齢者宅を不動産業者が訪れ、長時間にわたり自宅売却の勧誘をされ、帰って欲しいのに帰ってもらえず結果契約書にサインさせられてしまうという被害ですが、その説明の中では虚偽の説明がされたり、不当に安い価格のまま契約をさせられたりしてしまいます。
売却してその後は施設入居などを予定するものや、売却してもそのまま家賃を支払って住み続けるもの(いわゆる「リースバック」)もあります。
この「リースバック」という方法自体は詐欺的なものではなく、通常の取引としても存在するものです。そのため、家を売ったとしても買主に家賃を支払ってそのまま住み続けるという
リースバック方式も一般に見聞きするようになってきたため、悪質な業者に勧誘された高齢者の方の中には、その方が得だと思い契約してしまう方もいるのです。
契約後には即座に業者から手付金が振り込まれることも多く、そうすると契約解除しようとしても手付金の倍返しや違約金を求められることで高額な負担を強いられることもあります。
このようなトラブルに遭った場合、勧誘時の業者の態様や勧誘文言等に問題があれば、高額な負担をすることなく契約解除できる場合もあるため、すぐに諦めるのではなく一度ご相談ください。
(弁護士 中村 弘毅)