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大学生向けのマルチ商法が流行っています①


2019.09.13悪徳商法・詐欺


埼玉弁護士会消費者委員会では,教育機関の要請を受けて,出張講義を行っております。先日は,「学生マルチ」のテーマを扱いました。

 

大勢の人が集まるコミュニティにおいては,何かしらのトラブルが発生しがちではありますが,近年,大学生の間では学生を対象とするマルチ商法,いわゆる「学生マルチ」が流行っています。
まず,マルチ商法とは何でしょうか。
マルチ商法とは,正式名称を連鎖販売取引ともいい,特定商取引法33条で規定されています。違法な取引ではなく法律で定められた取引の一類型となります。
マルチ商法の特徴は,
①商品の販売やサービスを提供する事業であること
②商品の再販売やあっせんをする者を勧誘するものであること
③勧誘時,販売員は利益が得られると説明すること
④利益を得るために仕入れ等の経済的負担があること
とされています。
平たくいうと,「入会料等を支払ってうちの会員になれば,うちから商品を仕入れて他の人に売ったりすることができます。商品が売れなくても,他の人を会員に勧誘するだけでも利益が得られます。あなた自身がビジネスの主体となって稼いでみませんか」というものです。
「良い商品らしいし,人を誘えばその人に商品を買ってもらえるだろう。買ってもらえなくても紹介料は入ってくるらしい。リスクも少なそうだし,副業としてやってみようかな。このビジネスを紹介してくれたのは信頼できるAさんだしな。Aさんがいうのなら間違いないのだろう」と自分で稼げることに大きな魅力を感じ,気軽にはじめる方もいらっしゃいます。
 

しかし,本当に「リスクがない取引」と言えるのでしょうか。自分がビジネスの主体となる以上,当然法律の規制も関わってきます。法律の規制についてご存じでしょうか。
次回は,マルチ商法の法規制やリスクについてお話しさせていただきます。

 

(弁護士 森 美奈子)