5月30日に、獨協大学法科大学院で講義をしてきました。
ホームロイヤー論という1年生向けの講義で、弁護士の様々な活動を身近に触れていただくために、14人の弁護士が別々のテーマで、それぞれの弁護士が取り組んでいる事件について話をするという内容のものです。
私が担当したのは、「労働問題」です。
法科大学院生向けの講義とはいっても、未修コース(主に法学部出身者ではない方が入るコース)の1年生向けですので、まだ、司法試験の科目の学習も十分に進んでいない方々ですので、理論的な問題というよりも、具体的にどのような事件に取り組んでいるかや、最近、流行り(流行っていてはいけないのですが…)のブラック企業についての話もさせていただきました。
そこで感じたことは、ワークルール(働くことについての基本的な決まり)教育の重要性です。法科大学院生は、法律問題に関心の高い学生が集まっていますが、それでも労働法については、なかなかフォローされない分野です。そうだとすれば、一般の方には、尚更分かりづらいと思います。
しかし、皆さんの多くは、会社に勤めて給料をもらって生活している訳ですから、ワークルールが分からないというのは、知らない間に自分の権利が制約されていて(例えば、正しく残業代がもらえずにただ働き等)、それに気づかないということになりかねません。
これを予防するためには、これから社会に出る高校生や大学生こそ、卒業する前に、働くにあたって基本的な事項(労働時間の規制、残業代についてのきまり、有給休暇の制度等)を学習しておくことが必要なんだと思います。
個人的には、ワークルールについての出張講義を、今後展開できるようにしたいなと考えています。
(弁護士上田裕)