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コロナの影響で休業を指示されました。賃金はどこまで補償されるのでしょうか。


2020.04.21労働事件


新型コロナウイルスの感染拡大によって、政府は全国を対象として緊急事態宣言を発令し、政府や知事からは外出や出勤の自粛要請が出されています。このような状況の中で、会社から休業を指示されている方も多いのではないでしょうか。この場合、休業中の賃金はどうなるのでしょうか。
SNS上では、賃金は補償されないという情報もあるようですが、法的には、このような状況でも、少なくとも休業手当(直近3ヶ月の平均賃金の60%になります。平均賃金の計算の基礎に、賞与は含まれませんが残業代は含まれます。)の支払義務があると理解すべきかと思います(労基法26条)。
これは、労働法の学者の教科書(労働法 第12版/菅野和夫東京大学名誉教授)では、本件のような自粛の要請を越える「監督官庁の勧告による操業停止」であっても、休業手当の支払義務があると指摘されていることからも裏付けられます。
更に、在宅での仕事も可能な場合に、そのような措置の検討もせずに休業を指示しているような場合には給料全額の支払義務が発生する可能性もあるのではないかと思われます(民法536条2項)。
非常事態だからこそ、労働者にとっても使用者にとっても、冷静に正確な情報に基づいて行動することが必要でしょう。

 

(弁護士 上田 裕)