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サクラサイト運営業者に対し東京高裁で逆転全面勝訴判決


2013.06.20悪徳商法・詐欺


昨日、東京高等裁判所で、2000万円を超える被害に遭った男性による、出会い系サイト運営業者に対する裁判の判決があり、裁判所は、男性の請求を認め、サイト運営業者に賠償するよう命じました。

 

今回の裁判は、この種被害の救済に大きな意味をもつものです。
第1審の横浜地方裁判所は、この男性の主張を認めず、請求棄却の判決をしました。
この事態を由々しきものと考え、当事務所の弁護士が参加する、サクラサイト被害撲滅に向けた全国弁護団所属の200人以上の弁護士が代理人となり、控訴審である東京高等裁判所の裁判から、何度も打ち合わせを行い、長い時間をかけて主張・立証を行った結果、逆転全面勝訴判決を得ることができたのです。

 

判決理由によれば、
①メールの送受信に、専用回線を用いさせたり、メールアドレス、電話番号、個人の氏名を添付する必要があるなどとして、通常の送受信以外に、高額なポイントを消費させていること
②暗号入力操作、口座番号の入力操作等を命じ、さらに、その送受信に多大なポイントが消費されるよう際限なくその手続の繰返しを要求していること
③面会や金員の手渡しを約束してはキャンセルすることを繰り返し、極めて多数の送受信を余儀なくさせていること
という、サクラサイトの常套手口について、「これらの指示に合理性は見いだしがたく、その目的は、いずれも控訴人にできるだけ多くのポイントを消費させ、被控訴人に対し、利用料金名下に高額の金員を支払わせることにあることは明白」「高額な利用料金を支払わせることによって利せられるのは被控訴人においてほかにない」と断定し、「…相手方は、被控訴人が組織的に使用している者(サクラ)であるとみるほかはない」と結論づけました。

 

判決理由を読んでみると、極めて「あたりまえ」のことが理由として書いてあるのですが、これまで各地の裁判所は、この「あたりまえ」のことをなかなか判決として書くことができず、結果、サクラサイト運営業者が跋扈する事態を生じさせていました。
今後は、この「あたりまえ」の判断を前提に、各地の裁判所でも被害者の主張を認め、多くの被害者の被害回復がはかられていくことと思います。
そして、近い将来、このサクラサイト被害が撲滅できることを強く願うところです。

 

なお、今回の判決でもう一つ大事な意味がある点は、過失相殺がされなかった(消費者にも一定程度の落ち度があるという判断はしなかった)ことです。
第三者目線では、「なんで騙されるのかわからない」「騙される方も悪いのでは?」などという声も聞きますが、裁判所はそのような判断はせず、完全な被害者として認定した点、評価できるように思います。

 

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