2018年5月26日,全国から多くの弁護士が新潟に集まり,サクラサイト被害救済や情報商材に関する被害,クレジット・電子マネー等の決済手段を取り巻く法的問題について議論しました。
協議会では,ポイント購入型の占い被害では画期的な勝訴判決(東京地裁平成30年4月24日判決)が紹介され,その判決理由や今後の同種被害救済のための考え方について活発な意見が飛び交いました。占いと言っても,その実態はサクラサイト(大金を受け取って欲しいと申し出る者,有名人を名乗る者との連絡先交換のために多額のポイントを購入させられるもの)と同様であり,無意味な言葉を何度も何度も送信させられたりと,およそ占いと言えるようなものではありません。今回の東京地裁判決は,普通の人がおかしいと思うものをきちんとおかしいと判断したにすぎませんが,案外このような「普通」の感覚を正面から認める判決は珍しく,価値のあるものだと思います。
また,協議会では,近年被害が急増している情報商材関連の被害についても報告されました。情報商材の被害自体は以前から存在しますが,近年は副業ブームに乗ってか,投資指南のような情報商材被害が極めて多数発生しています。SNSやYouTube等の発達によって,勧誘する側は一度に多くの人に対して勧誘のための情報発信することが簡単になり,他方で,騙される側も動画映像などを実際に見ることで信用しやすい,ということが被害急増の一因ではないかと考えています。協議会では,今後,情報商材被害救済のための110番なども実施していく予定です。
今では報道等によってサクラサイト被害は広く知られるようになりましたが,それでも被害は後を絶ちません。被害に遭わないことが一番ですが,もし被害に遭ってしまったら一度ご相談ください。
(弁護士 中村弘毅)