5月18日に開催されたサクラサイト被害全国連絡協議会@香川に,当事務所の中村弁護士と共に出席してまいりました。
サクラサイト被害とは,聞き馴染みのない言葉ですが,架空の人物(サクラ)とメッセージ交換をするためには課金が必要であるなどといって,被害者に高額の金銭を支払わせるという詐欺被害で,相談の多い消費者事件の一つになります。
サクラサイトは,非常に巧妙な手口で,いつの間にか,サクラサイトへと被害者を誘導します。副業サイトを装うもの,出会い系サイトを装うもの,占いサイトを装うもの,誘導の入口は様々です。
〈出会い系・副業系サイト〉
サクラとの連絡先の交換名目に,サイト運営会社が被害者に対しポイントの購入を要求してきます。出会い系サイトであればサイト外(LINE等)で連絡をとりあおうと連絡先交換を持ちかけてきたり,副業サイトであれば報酬の振り込みのために連絡先交換が必要などと言ってきたりします。
しかし,いざ被害者が,ポイントを購入して連絡先の交換をしようとすると,エラーがでたとか,入力ミスだとか様々な難癖をつけられ,高額の支払いをさせられた挙句,連絡先の交換ができずにおわります。時間制限つきで,次から次へと支払いを求められるため,短期間に高額の被害を被ってしまうケースが多く見られます。
〈占いサイト〉
占いサイトを装うものについては,占いに必要な事項などといって,意味のないメッセージを被害者から占い師(サクラ)に対して送らせて,有料のメッセージ交換を延々と続けさせられてしまう被害が多いです。
サクラサイト被害は全国的に生じており,各地で弁護団が結成されています。先日の全国連絡協議会では,各地の被害状況や対応状況,訴訟結果などの情報交換を行いました。
もちろん,出会い系サイト,副業系サイト,占いサイトのすべてがサクラサイトというわけではなく,詐欺とは関係のない堅実な運営をしているサイトもあります。ただ,「これはもしかしてサクラサイトではないか?」と注意していただくことによって,被害に遭う可能性はぐっと低くなります。
馴染みのないサイト利用の際には,どうぞご注意ください。
(弁護士 森 美奈子)