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不急の破産申立て?


2020.04.16弁護士伊東結子のブログ


新型コロナウィルス感染拡大防止策として緊急事態宣言が発令されたことを受け,東京地方裁判所の破産・再生部が,緊急事態宣言中は「不急の申立て」を控えるようにという要請を出したことが話題になりました。

 

借金問題に苦しむ方々からすれば,債務の整理に急を要しないものがあるのか?と疑問に思われるところではないでしょうか。
また,外出自粛の要請によって売上が激減してしまった事業主の皆様も,同様に感じられるところではないかと思います。

 

東京地方裁判所の要請は,誤解を招く,不用意な表現だったと思います(東京地裁も,表現が不適切だったことを認めています)
職員の出勤減により,破産申立て後の処理スピードは落ちているものの,破産申立ての受付自体は,東京地裁でもさいたま地裁でも,継続して行われています。

 

大切なのは,「急いでやらなければいけないのはどこまでのことなのか」という見極めです。

 

あなたを苦しめているのは,返済の督促でしょうか?
それとも,日々の生活費が不足してきたことでしょうか?

 

貸金業者からの返済の督促は,弁護士が介入することで止まります。
また,生活費の不足は,返済を正当な手順を踏んで止めることや,役所の生活相談窓口に出向くことで,活路を見出すことができる場合もあります。

 

「何から手をつければいいのか分からない」という圧倒的な不安は,「急いでやらなければいけないのはここまで」と見極めることで,かなり解消します。

 

私たち弁護士は,その「見極め」のプロです。
正しい見極めができてこそ弁護士であると考え,日々研鑽を積んでいます。
社会的に不安が高まっている今だからこそ,「面談ではなくお電話で」等の感染防止策を取りながら,皆様が抱えるトラブルについて,何を急ぎ・何を急ぐべきでないのかという見極めを続けていきたいと思っています。

 

(弁護士 伊東結子)